熊本でおすすめのジャズライブハウスガイド!内容も解説!

LiveHouse 音楽

「私が地元熊本にあるJAZZのライブハウスに初めて行ったのは、4年くらい前でした。あるホームページで初心者でも誰でも参加できる日曜セッションというのがあるのを知ったのがきっかけでした。

個人でブライダルのお店をされている社長さんがヘアサロンのスペースを開放し、月に1回日曜日にプロのSAX奏者を招いて、セッションを楽しむというものでした。

なのでその場所自体は厳密に言うとライブハウスではありません。名付けて「JAZZワークショップ&セッション in 宇土」セッションリーダーをつとめるSAX奏者のNさんはプロで、ドラム、ベースはセミプロの方たちでした。

私自身あまりSAXの練習をしていなかったので初めて行ったときはSAXは持っていかなかったのですが、他の人の演奏を聴いているうちに、セッションは楽しいなあ、という気持ちがふくらんできてその翌月はじめて、SAXで参加させいただきました。

長くSAXをやっていて、Big Bandでの演奏や、個人的に娘とセッションをする機会は結構ありましたが、ピアノ、ドラム、ベースをバックにSAXを吹くという機会がなかったので、そこではじめて、セッションというものがとても楽しいものだということを実感し、いままで一人練習してきたのはなんだったんだろういう気持ちが湧いてきたのです。

よし!今からはセッションの機会があるなら積極的に参加しようと思うようになりました。それからは、月に1回か2回のペースで、いわゆる本場のライブハウスでアマチュアのセッションの機会があると、出かけていくようになりました。

お店によって開始時間はまちまちですが、やはり遅い時間、だいたい20:00~スタートというところがほとんどです。終わるのが、24時をまわることもあります。

4年前からコロナが猛威をふるうようになると、お店も営業を自粛し、参加者の減少もあって私も参加する頻度もめっきり減ってきていましたが、最近ではコロナ禍が再度増えているとはいえ、5類になったことでそろそろ、復帰しようかな、と考えています。

いずれも、月1回か2回、アマチュアに開放していて、バックはプロがつとめ、参加する我々アマチュアがメインとなって演奏する形式です。演奏後プロの方のアドバイスを受けることができます。

私が主に通っているライブハウスは3店です。これから、それぞれのお店を私が初めてセッションに参加した時の様子も交えて、紹介したいと思います。

LIVE & DINING 酔ing

熊本市中央区にあるライブハウス酔ingです。プロ、アマあわせて基本的にJAZZを演奏するお店です。

お酒に酔うの「酔」に「ing」をくっつけて「酔ing」—何ともおしゃれなネーミングですね。先に紹介した「JAZZワークショップ&セッション in 宇土」でホスト役をされているテナーサックスプレーヤーNさんから、誘われて行ったのが、今から6年前の2018年3月でした。ホームページに載っている地図を頼りに、SAXとレパートリーの楽譜を持って、夜8時に入店。ひとりで参加するのも心細かったので、娘も連れていくことにしました。

この頃は、娘のピアノとデュオで練習していた曲が2曲あったのでそれを披露しようと思っていました。それは、アドリブの箇所も含めてすべて楽譜化されています。アドリブは自己流でも吹くことはできたのですが、楽譜をみて無難にこなそうという姑息な姿勢でのぞんだわけです。

店内に入るとすでに6,7人のアマチュアプレーヤーの方たちがいらっしゃいました。SAXだけでなく、トランペット、フルート、ドラム、ベースを弾かれる人たちです。セッションリーダーのNさんに娘を紹介したところ、ジャズの基本的なこと(歴史やアドリブなど)をしばらく話してくださいました。

いよいよ、自分たちの番になると、セッションに参加している人たちの何かを期待しているような雰囲気が伝わってきて、少し緊張したのを覚えています。曲はディズニー映画「ピノキオ」の中の挿入曲「星に願いを」と、グレンミラー楽団の代表作「ムーンライト・セレナーデ」です。

編曲自体がピアノとサックスだけということもあり、ベース担当の方には、一応コードが載っている楽譜を渡しました。演奏時間は10分くらいでした。「ムーンライトセレナーデ」のアドリブは結構早いフレーズが盛り込まれていて、難しい方なのですが、娘とは何度も練習を重ねてきたので、最後までうまく吹きこなすことができました。

演奏が終了して聴衆の反応は結構よかったのではと思います。他に、娘は「虹の彼方へ」をソロで弾きました。これもレベル的には上級の楽譜なのでJAZZ的要素もふんだんにあり、うまく弾けていたと思います。

演奏が終わると、プロのアドバイスがあります。強弱メリハリをもっと付けたほうが良い、できれば楽譜に書いてあるアドリブではなく理論的にはおかしくても、本当のアドリブを楽しんだ方がよいですね。と言われました。

私たちの演奏が終わった後は、次から次に交代で他の方の演奏を聴くことができました。レベルの差はありますが、皆さんJAZZ、アドリブを楽しんでいるという気持ちが伝わってきました。これから、月1回は参加して、技術を向上させていきたいとその時、思ったものです。

さて、私の酔ing初デビューの話はこれくらいにして、酔ingのお店紹介をしますね。

熊本市の中心街、銀杏北通り沿いのビルの2階にあります。階段を昇ったところの右手に扉があり、開けると鈴?の音が「チリン」とします。

まずカウンターがあり、そこは10人くらい座れるでしょうか。奥に進むと、演奏スペースがあり、グランドピアノとドラムは据え置かれています。

広さはだいたい10畳くらいあると思います。テーブルも、2人がけから、4人がけのソファーまで、5、6席あります。それもお客さんの入りによって、自由に変えられるようです。

普段はプロミュージシャンの方の演奏が夜な夜なくりひろげられましが、月1回(日曜日)は、私が初めて参加した、「酔ing Sunday Session」といって、アマチュアが集まって、プロのNさんの進行でセッションを行います。

参加費用:1000円にチャージ料500円が追加されます。このなかに飲み物とちょっとしたおつまみが含まれます。飲み物はお代わりするごとにその分が追加されます。

この店のオーナーは野本秀一さんで、ピアノでは世界的にも活躍されている方ですが、残念なことに一昨年亡くなられました。

ここで演奏されるプロの方々は地元熊本を拠点に活動されている方が多いです。時には全国的に知名度の高いアーティストのライブも開催されます。

4年前は、女性JAZZピアニストで20年程前の紅白歌合戦でバックをつとめたこともある大西順子さんのライブがありました。このクラスの超有名アーティストの場合、当然お値段も高くなります^^;

私は月1回のセッションには毎回ではありませんが、できるだけ顔を出すようにしています。ジャズだけではなく、それぞれのお仕事の話だったり、ジャズ以外の話もできるので世界観が広がり楽しいですよ!

ドリンクは生ビール、ノンアルコールビールとも600円、ギネスビールは800円。ワインの種類が豊富で、リーゾナブルナな価格から高級ワインまで600円~3500円です。

熊本の球磨焼酎も20種類くらい取り揃えられています。勿論、ボトルキープできます。私はお酒を飲まないので、毎回、ジンジャエールかコーヒーをオーダーしてます。ソフトドリンクは500円です。

とにかくアットホームな雰囲気ですので、JAZZ初心者の方でも大歓迎です。この機会に、JAZZに触れて、なんでもいいので楽器を始めて、セッションに参加しましょう!

住所 〒860-0806 熊本市中央区花畑町10-10 中山ビル2F
TEL 096-356-2052
営業時間 19:30~26:00 (日曜日 18:00~24:00)
定休日 月曜不定休
収容人数 通常40名(スタンディング65名)
設備 グランドピアノ、ドラム、ベースアンプ、ギターアンプ、PA設備

Restaurant Bar CIB

最初に紹介した酔ingのすぐ近く、北銀杏通りにあるライブハウスです。ライブハウスというとこじんまりとしたスペースを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんがここは、広いです!

そして、JAZZだけを演奏したり聴いたりするだけでなく、昭和の歌謡曲やポップス、ディスコサウンズなど幅広い音楽のジャンルを、プロだけでなくアマチュアも演奏できるスペースになっています。

広さは、私が知っているライブハウスの中でも一番広く、今、思い浮かべただけでも縦横20mくらいあるでしょうか?客席数も多く100席以上はゆうにあるでしょう。

CIBに私が初めていったのは、やはり酔ingに初めて行ったころと同様、4年前の4月くらいだったと思います。酔ingで、同じセッション仲間の人に誘われたのがきっかけでした。

私はその時は相変わらず、アドリブも楽譜に書かれたものをもとに、練習していました。その時はアントニオカルロズジョビンというボサノバ界では超有名なアーティストの代表作「Wave」を携えて、夜8時に店内へ初めて入りました。まず驚いたのがやはり「広い!」ということです。

自分が演奏したい曲をノートに書いて、順番に演奏するというスタイルです。セッションリーダーの女性ピアニストS先生(W大学のJAZZ研出身)で熊本ではJAZZピアノといったらS先生というくらい、活躍されていて音楽教室では多くの方にJAZZピアノを指導されています。

1時間くらい他の方々の演奏をきいた後は、私の出番です。「Wave」をバックで演奏してもらうのですが、楽譜のキーがドなのでSAXで吹くのは簡単でした。

詳しい解説は省きますが、ドが開始音になるので、ピアノに置きかえると白鍵で、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドだけ使って、アドリブをすればそれらしく聴こえるということです。ところが、SAXのドは実はピアノのミ♭(フラット)と同じ高さなので、サックスでドがキーということはピアノではミ♭(フラット)がキーになるので、スケールを弾くと黒鍵が3つになります。

詳しい説明をすると長くなりますので、ここでは、SAXのドレミファソラシドピアノのドレミファソラシドと音程が違うということだけ覚えていただければと思います。

さあ演奏が始まりました。S先生も少し戸惑っておられましたが、なんとか最後まで吹くことができました。結局、アドリブを楽譜に書いてある通り吹くという今までと何も変わらない演奏でした。

エンディングの方で私が本当にアドリブでブルース調にしたり、バップ調にしたりと、自由に吹いたところ、その直後S先生から、「Tさんブルース」をしましょうと言われたので、

再びステージにあがって、何人かで演奏しました。本当にその時は、自由に演奏でき、本当のアドリブができたと思いました。それからも、何曲かSAXの曲を何人かのSAX奏者と順番にアドリブをとっていったのですが、これが実に楽しい!自分でも驚くようなフレーズが出たりと、自由に吹くことの楽しさを本当の意味で感じた瞬間でした。

演奏終了後、S先生にお礼をいったら私の演奏を結構気にいってもらえた?ようでした。自分自身もとても楽しかったので、これから毎回セッションに参加しようと思いました。

帰宅後、FacebookでS先生にお礼のメッセージを送ったところ、アドバイスの返信をもらうことができました。自分なりにまとめてみると、

  • なるだけ多くのプロの演奏を聴くこと
  • とにかく恥をかくこと
  • 楽譜は見ない

というアドバイスでした。

これらのアドバイスは、結構、的を得ていたので、今でもこの3つは守っています。スマホでJAZZチャンネルをずっと流し聴くこと人前で演奏する時は、その曲を完璧に覚えて(指に覚えさせる)吹くこと、テーマのところでミスをして恥かいても、次に生かすようにする。

そのおかげで、楽譜を暗譜するまであまり時間がかからないようになっています。現に、CIBで私が演奏した「Wave」という曲は、実はキーがシ(B)なので、黒鍵が5つ、別の言い方をすれば、#が譜面の最初に5つ書いてあるのが本当でした。私は、すぐにキーをシ(B)に変えて猛練習しました。おかげで、その1週間後にあった別のライブハウスでの演奏はシ(B)のキーで最後まで間違えることなく吹きこなすことができました。

それからは、「フライミートゥーザムーン」「酒とバラの日々」「ALL of Me」などのスタンダードを中心にレパートリーが増えていきます。

これまでの、練習法がいかに効率が悪く、独りよがりだったかということを痛感しました。

最近は、コロナ禍で、足が遠のいていますが、来月2月のセッションには参加したいと思っています。

先にもお話しましたが、月1回のTRYOUT SESSIONはいろいろな楽器を演奏する人たちが集まってきます。前のステージに近い場所のテーブルは、だいたい4人がけです。演奏する人たちは、前の方に座ります。

ほとんどが楽器持参の人で、ただ聴くだけのために来ている人の方が少ないです。後ろに、1段高くなった客席もありますが、ここは20テーブルくらいあるかもしれません。ここは観客専用です

JAZZではない、昭和ロック&ポップス、ディスコなどの時は恐らく、後ろまで埋まるんじゃないでしょうか?

とにかく、ステージの雰囲気が良くて、演奏者映えするようなセットになっています。その中で演奏するのは本当に最高な気持ちです。

楽器は本当になんでもよいのです。最近ウクレレ人口が増えてきているという噂?もききますが、それこそ、ボンゴなどの打楽器でも良いです。ギターの弾き語りのステージの回も時々あるようなので、昔のフォークソングを演奏するのも良いと思います。

ただ、TRYOUT SESSIONはJAZZ中心なので、フォークソングなどは「昭和ポップスの日」など別の日に参加された方が良いです。TRY OUT SESSION の参加費用は1000円とドリンクが500円~、ドリンク1杯なら1500円で十分楽しめます。

通常、プロのセッション鑑賞になると、相場は5000円+ドリンク料になります。渡辺貞夫さんが昨年CIBでライブをされたときは、確か8000円+チャージ料だったと思います。

住所 〒860-0806 熊本市中央区花畑町11-14 KOHENビル2F
TEL 096-355-1001
営業時間 18:00~25:00
定休日 日曜・ 日曜にライブがある場合翌月曜日
収容人数 通常60名(最大180名)
設備 グランドピアノ、ドラム、ベースアンプ、ギターアンプ、PA設備

ジャズinnおくら

熊本ではもっとも長い歴史を持つJAZZ喫茶ですが、JAZZのセッションも頻繁に行われています。

熊本市中央区、上通を北に向かって歩いていき、並木坂に入ったら、三つ目の角を右に曲がり3、4軒先の右手にある、歴史を感じさせるようなレンガと木の造りの建物です。

今まで紹介した2件のライブハウスは、レコードやCDをリクエストすることはできますがその名の通り、ライブ演奏がほとんどです。

ここ、JAZZ Inn おくらはもともとがJAZZ喫茶としての歴史が長く、その分、所有しているレコードやCDは合わせて3000枚以上です。1950年代~60年代のJAZZがメインで、その他にも新譜も含め、リクエストされたものを常時流しています。

50年代60年代は、マイルスとかコルトレーンが活躍した時代です。各地の大学では学生運動が盛んでした。私がまだ幼稚園、小学校低学年の頃ですね。

そんな環境の中、コーヒー1杯で1日中同じ席にすわり、曲をリクエストし、目を閉じて曲に聴き入り自分の世界に入り込んでいた貧乏学生のたまり場の代名詞としてJAZZ喫茶がありました。

私自身はそういう体験がないので、懐かしいなどの感じはないのですが、ここの雰囲気はなんとなくノスタルジックになれるような不思議な感覚がありますね。

さて、私が初めて演奏するためにここJAZZ Inn おくらに行ったのは2年半前だったと思います。

それまでは、レコードを聴きに何度かたずねたことはありますがSAXを持って行ったのはそれが初めてでした。

アルトサックス奏者で音楽大学でもSAXを教えられている、T先生のレッスンを兼ねたセッションが開かれるということで、参加しました。ニューヨークなどのライブハウスでも有名ミュージシャンとの共演を多くされている方です。

当日は酔ingやCIBでも一緒になるメンバーもいたので、割とリラックスして演奏できたと思います。

私は「酒とバラの日々」「ALL of Me」の2曲を演奏しました。T先生からは、アンブシャー(マウスピースの加え方)が浅く、唇を少し巻き込みすぎ、という指摘をうけました。

クラシックとJAZZでは、マウスピースの加え方はまるで違うのです。クラシックは下唇を巻き込み、割と浅く加えますが、JAZZではあまり深く考えず、とにかく唇をマウスピースを深いところまでもっていき、ただ大きくくわえるだけです。(文字ではなかなか説明しずらいですが)で、それを意識してやったら、うまくできたので、T先生は驚いていらっしゃいました。

「音が全然違う!ずいぶんよくなったね」と言われたのが、とてもうれしかったことを覚えています。

それに、「もうひとつ感心したことがあります。それは楽譜を見ないで吹いていること」と言われ、ああ、CIBでのTRYOUT SESSIONでS先生が言われたことを忠実に守ってきてよかったと思いました。

T先生から、最後にこの調子でがんばってください」と言われ、これほどのプロから褒められ(決してお世辞じゃなく)本当に来てよかったと、しばらくはウキウキした気分に浸っていました。

それ以来、CIBでS先生の言われた、なるだけ多くの楽曲を聴く、恥をかく、楽譜を見ない、は忠実に守っています(笑)

さて、お店の案内をしたいと思います。さすがに本場JAZZ喫茶だけあって、スピーカーのクオリティはすごいです。JBLの4333Aユニットを使って容量を大きいものに変えて、ケーブル類も変えたオリジナルなスピーカーを使っています。

レコードプレーヤーはオーディオテクニカのAT-LP7を使っています。アナログのレコードを聴くとき真空管ならでは臨場感があります。個人でレコードやCDを持ち込めばかけてくれますので、もしお気に入りのレコード、CDがあったら持ち込んでみてはどうでしょう?ただ、、、、くれぐれも演歌だけはやめてくださいね。

セッションの方も最近めっきりふえてきているようで、正月の1月2日に演奏始めとしてS先生がアマチュアのセッションの機会を設けてくださっています。

プロの演奏も週1回のペースで聴くことができます。料金は比較的リーゾナブルな方だと思います。2000円~4000円(要オーダー(1ドリンク))食事の方ももちろんできます。自家製ピッツァ、自家製チキンカレーが超おすすめです。お酒も例外なく、焼酎の色々なブランドが味わえますよ。

住所 〒860-0848 熊本市中央区南坪井1-12
TEL 096-325-9209
営業時間 15:00~24:00
定休日 火曜日(不定休)
収容人数 30名?
設備 グランドピアノ、ドラム、ベースアンプ、ギターアンプ、PA設備
オーディオ スピーカー(JBL4333A)
パワーアンプ(オリジナル)
プリアンプ(オリジナル)
プレーヤー(オーディオテクニカ AT-LP7、カートリッジ オーディオテクニカ AT-F3ⅡMC
CDプレーヤー(DENON DCD-1600NE)

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