シティポップが最近にわかにいろいろな年代の人に聴かれるようになっています。その中には名曲も多いですね。
もう40年以上も前に作られた曲がなぜ今流行っているのでしょうか?
ひとつのきっかけとして海外のリスナーがyoutubeなどで日本のシティポップを聴いてそれにコメントを載せるようになり、それを見た日本のリスナーが逆に興味をもって観るようになり、広がったようです。
シティポップは1970年代後半から1980年代にかけてヒットしています。かく言う私も会社に勤めながら社内の軽音楽部でギターとサックスをやっていてレパートリーの多くは名曲ばかりにシティポップでした。
シティポップの定義とは、それは広がりのある都会的イメージ、夜景を思い起こさせるかっこいい音楽ですね。今聴いても全然古くないし、むしろ今流行りの楽曲などとは一線を画す洗練されたポップなメロディに仕上がっていると思います。
かっこいいリズムや編曲などが今のZ世代にも受け入れられるサウンドとなっています。私は今流行りの一本調子のラップなどはどうも苦手です!そういう年代だからですかね?
ここでは、今注目されているシティポップの名曲を紹介し、プラスYouTubeにアップされているサックスでの演奏も聴いてもらい、サックスでシティポップを吹くと、こんなにカッコいいんだと感じながら、自らも吹いてみたいという人が一人でもいたら本当に嬉しいです。
サックスの楽譜もそろってますよ!
シティーポップの特徴
- 都会的なイメージ: とにかく都会の雰囲気や夜景、それにバケーションなどを感じさせる曲が多いです。表現を変えていうならば生活感がないということですかね。この辺りはフォークソングなどとは真逆です。歌詞や楽曲ともにとても洗練されていてスマートです。
- 洗練されたメロディ: シティーポップの名曲は、明るくしかも広がりがあり今聴いてもまったく古臭さがなく、モダンな曲が多いですね。当時は歌謡曲が大衆受けしていましたが、シティポップの作詞作曲家アーティストたちが、それらに迎合せず常に新しい「音楽」を常にどん欲に追い求めていたところが、最近の若い世代が新鮮な気持ちを持ったのではないでしょうか。
- アレンジと制作レベルの高さ: とにかくアレンジが素晴らしい楽曲が多いです。かっこよくて非常によく練られていてクオリティの高い曲ばかりです。そして、シティポップを常にけん引してきたのが山下達郎でしょう。背景にあるのは若いころからアメリカン・ポップス・ロックなど海外の音楽を多く聴きサウンドや質の高さを楽器演奏や録音の技術に生かしているからでしょう。
ここではCity Popsの原曲とそれをアレンジしてサックスで演奏している動画を他のアーティストも紹介しながら比較したいと思います。
City Popの代表的アーティストと代表曲
山下達郎
山下達郎の音楽は、ほかのアーティストとは比較できないような名曲が多いですね。空間の広がりと明るさが魅力的です。一回聴いたら耳に心地よく残るメロディとリズムが素晴らしいの一言です。
彼の曲は、ビーチボーイズの影響を受けていると本人も言っています。もちろんそれだけでなく他のアメリカン・ポップス・ロックなど様々なミュージシャンから影響も受けているようです。
音楽作りに対する姿勢が徹底しています。他のミューシャンにはない、山下達郎の独特な感性を感じます。全ての演奏を1人で(オーバーダビング)行っている楽曲も数多く制作しています。
山下達郎が本格的なバンド活動を開始したのが1973年から3年間活動していたシュガーベイブです。私自身当時は彼の存在すら知りませんでした。もうその時には後にEPOが取り上げたDOWN TOWNがすでにリリースされていたんです。これは本当信じられな驚きです。
その頃私はサイモン&ガーファンクルに心酔してデュオで高校の文化祭などで演奏してました。ほかにフォークグループ「赤い鳥」なんかもやってました。それこそ井の中の蛙でしたね。
山下達郎は明治大学をたった数か月で退学していますが、音楽活動にかなりシフトしていった理由からのようです。それほど先を見越した音楽へのこだわりがあったのでしょう。
色々な音楽ジャンルをつまみ食いみたいな感じでやってきた私からみると、とてもうらやましいです。
やっと今はジャズに落ち着きましたがひとつの音楽ジャンルにこだわり続けるというのも大事なことだと彼の音楽を聴いて感じます。もっと早くにジャズをやっとけばよかった!
「Christmas Eve」:今からもう40年も前にリリースされた名曲でJR東海のCMソングとして大ヒットしました。40年たったいまでもチャートの100位に毎年入っているようです。
コマーシャルも、深津絵里や牧瀬里穂などの同時まだ20歳くらいだった女優を起用して大変注目されました。
日本のクリスマスソングの定番として今でも広く親しまれていますね。ロマンティックな歌詞と優しいメロディが心をゆさぶりますね。
山下達郎のその他のヒット曲を一覧にしました。
「Ride on Time」:1980年にリリースされたこの曲は、山下達郎の代表作の一つとして知られています。日本語にすると「時流に乗る」「乗り遅れるな」となりますが、真っ青な空、飛行機を連想させるスムーズなメロディとリズムが特徴で、今でも多くの人々に親しまれています。
「YOUR EYES」:山下達郎のバラード曲の中でも美しいメロディと歌詞がすばらしいの一言です。嫁さんが好きな曲で結婚式の入場の曲としても使いました。情感豊かで聴く人の心を打つような曲の人です。
「高気圧ガール」:40年ほども前ですが、全日空リゾートピア沖縄キャンペーンのイメージソングに使われました。 Ride on TImeのようにやはり真っ青な海と雲一つない晴天の空を想像させます。
彼の音楽は時代を超えて聴かれ続け、日本のポップミュージックの重鎮と言っても過言ではありません。
EPO
私が20代後半にEPOのコピーバンドをやっていた頃ステージで何度も披露した時が一番楽しかったのを覚えています。とにかく明るい、カラフル、何度聴いてもこころが喜ぶウキウキしちゃいます(笑)
「ダウンタウン」:1980年に発売されたEPOのデビューシングルです。もう40数年前ですね。それなのに本当に新しさを感じるのは私だけでしょうか?
山下達郎がシュガーベイブで1975年にリリースしましたが、それほどヒットはしなかったようです。
EPOが取り上げたことで、ヒットしました。「オレたちひょうきん族」のエンディング・テーマで使われたこともヒットの要因だったのでしょう。
社内のバンドでは一時期EPOだけ取り上げてコンサートで演奏していました。シティーポップの代表的な曲のひとつだと今でも思います。いつまでも色あせないモダンな代表的City Popsだと思います。
「うふふふ」:40年前、資生堂化粧品の春のキャンペーンCMソングとして使用されました。
軽快なリズムと、とにかく明るいメロディーでデビュー以来初めてオリコンチャートで最高7位まで上昇しました。シングルも26万枚を超え、EPO最大のヒット曲となりました。
私がギターを担当していた社内バンドでもいち早く取り入れ、女性ボーカルの後ろで野郎が「うふふふ」とハモルのですが恥ずかしさもありました(汗;)その頃が懐かしいです。
「土曜の夜はパラダイス」:「DOWN TOWN」のヒットに続きフジテレビ『オレたちひょうきん族』のエンディング・テーマ曲として使われました。
「土曜日の明るい気分を楽曲にしてもらえたら」とのフジテレビからの依頼がありEPO自身が作詞作曲を担当しました。
この曲にの前、「PAY DAY」(給料日?)という曲がすでに制作済みでしたが、フジテレビのプロデューサーから「もっと開放的で明るい曲がいい」という注文が出たため、その後制作した「土曜の夜はパラダイス」がテーマ曲に決まりました。
「くちびるヌード・咲かせます」:資生堂化粧品春のキャンペーン・CMソングで使わたEPO自身の作詞作曲です。実際は高見知佳がメインで歌っていてそれがコマーシャルとして流れました。
EPO自身もコンサートなどで歌っていましたし、週間オリコンチャートでは最高16位にランクされました。
当時はNHKでは唄えなかったそうです。曲中のフランス語部分“Voulez vous coucher avec moi?”は「今夜、私と寝たくない?」という意味なので、まあ納得です。EPOはコマーシャルソングを作るセンスが当時からありましたね。
竹内まりあ
「プラスティックラブ」:竹内まりやの「プラスティック・ラブ」は、今や日本のシティポップを代表する名曲の一つとして日本だけでなく海外で大変高く評価されています。
私のサックスの師匠伊澤隆嗣さんの演奏です。音を重ねているところがいいですね!!
「プラスティック・ラブ」は、この曲の存在を私自身最近まで知りませんでした。私のサックスの師匠がYouTubeにあげてから初めて知りました。
この曲が再度注目されたのは海外のリスナー達でした。「とにかくかっこいい曲じゃない!」とその都会的メロディー、サウンドを耳にしたYouTubeなどを観た海外の人たちから高く評価されたのです。
アメリカやヨーロッパ、アジアなど国境を越えシティポップファンからもとても高く評価されています。いわば逆輸入ですね。
私自身、竹内まりやの澄んだボーカルとノリの良さがとても好きです。メロディも歌詞にともなって少しマイナー気味なところがあり他のシティポップと比べると悲哀のようなものを感じます。
タイトルの「プラスティック・ラブ」は「偽物の愛」という意味です。なるほど、曲調からすると納得です。
この楽曲は多くのアーティストによってカバーされており、様々な世代に受け入れられています。
杏里
「グッバイブギーダンス」:
「グッバイ・ブギー・ダンス」は、杏里の代表的な楽曲の一つです。
これも40年ほど前に私自身が社内バンドでレパートリーとして取り上げ色々な場所で演奏しました。
特にギターがとても格好良かったので自分自身ノリノリで演奏していました。曲全体のスマートでポップな雰囲気が、とても好きです。
歌詞はタイトル通り、失恋の歌のようですねが、都会で生活する若者たちのライフスタイルを反映した楽曲です。
今井美樹
雨にキッスの花束を:
今井美樹の「雨にキッスの花束を」は、彼女の歌う曲のなかでも明るくノリの良い楽曲のです。作詞作曲はあの「愛は勝つ」でレコード大賞を受賞したKANさんです。今年逝去されました。ご冥福をお祈りします。
中原めいこ
Fantasy:
松任谷由美
「TAKE YOU TO THE SKYHIGH/ 角松敏生」
2022年2月『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社新書)
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